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「いただきます」&「ごちそうさま」

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料理

最近は、あまり本を読むこともなくなりユーチューブを見たりしている事が増えた。

今、メルカリで安く購入した いのちをいつくしむ家庭料理 を読んでいる。

B5版の大きさで写真も美しく、解説もわかり易く理にかなっていて説得力がある。

エッセイも、美しく正しい日本語が気持ちいい。

著者は、私の好きな料理研究家の辰巳芳子先生だ。

お父様の介護のため作ったスープは有名だ。

食の大切さ、簡単便利な料理や食事ではなく、何気ない平凡なことを、丁寧に美味しく。

当たり前のことだ。

炒った煮干しのだしと、だしの素を使った違いは、私でも、夫でも、すぐわかる。

けれど、だしの素にも、麺つゆにも結構お世話になっている。

いま身の回りにはたくさんの食べ物が有り、お金を出せば簡単に手にすることができる。

このスープは、そんなに高級品でもなく贅沢なものでもない。

少し時間と手間がかかるだけ。

自分の最後は点滴や胃ろうではなく、口から食べて 「ああ美味しい」で終わりたい。

点滴や胃ろうに、いただきます。ごちそうさま。は言わない。

それは、料理に対する感謝の言葉だから。

食べる力のない人が、飲み込む事のできるスープ、飲みたいスープ。

誰かのために、自分のためにも練習しよう。そしてものにしよう。

スープだけではなく、野菜、魚、肉、の項目もなるほどと思わされることがあった。

毎日食べても飽きないおつゆ。今私が一番食べたいのは、どんこ汁

肝の入った頭の付いたどんこと、根菜のたくさん入った味噌仕立てのおつゆ。

大きな丼で、ひと冬に何度か食べていた。今年はスーパーでも魚屋でもあまり見かけない。

アラ汁は好きで鮭や鱈、ブリ、アイナメ、など頭も骨も無駄なくいただく。

塩をして少し置いて水分をふき取り、オーブンで10分ほど焼く。

そのアラで作るおつゆは、生臭くない。エキスがスープに溶けていて合理的。

以前読んだ本の中で、牛すじや骨、皮、内蔵を摂ることを勧めておられた。

牛すじは、栄養があっても、あまり好きになれなかった。

捨てる脂が、あんなにあるのにも驚いた。

鎌倉の御自宅の、自然にあふれた広い庭にも憧れる。

一度見てみたい。(他所様の庭に勝手なことを。)

台所仕事は、自分の人生と他の人生を全く受容しなければ、終生重荷となる作業です。

ドキッとさせられる。

料理をする時間は、思うよりずっと短いとあるが、私にこの先どれほどあるのだろう?

鎮まった心で、火の前、水の前 に立ちたいと思う。

 

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